突然ですが今年の冬は保温インナーに重課金しておりまして、その結果今までの比にならない程にそれはもう快適な日々を過ごしています。先日ぽつりとTwitterのサブアカウントであまり深く考えずにこんなことを呟いたところ、
この冬はあたたか高機能ソックスに投資して絶賛履き比べ中なんですけど、どれも違ってどれも良さがありますね。表で比較しながら記事を書きたいところですが、実現できないまま冬が終わりそうで怖い。どなたか靴下のお薦めあったら教えてください、いや靴下に限らずいつでも何でもお薦め受付中ですが。 pic.twitter.com/pLfCEaQ8Xa
— かべ (@kataru_kabe) December 15, 2020
各商品それぞれ気になる方がいらっしゃる…!ということで、重過ぎてクレーンが必要な腰を皆様のお声により必死に上げ、はてなブログアプリを起動しました。もしご参考になりましたら幸いです。
今回試したのは以下の3種。
左から、まるでこたつソックス・ソックウェル・モンベルです。毎度のように長文になりそうなのでひとまず先にめちゃくちゃざっくりと個人的なイメージを述べさせて頂くと、
ですかね。Twitterにも書きましたように、それぞれ持ち味が異なり良さも異なるので、使用して感じたところをひとつずつ詳しく書き連ねてみようと思います。ちなみに本記事は8,000字近くなってしまったので、「ええいまどろっこしい、結局お前はどれがいいんじゃい!」というせっかちな方は、目次→まとめまでひとっ飛びしてくださいませ。
①まるでこたつソックス
Twitterでどなたかが非常に暖かいと仰っているのを拝見し、それならば試してみようと思い購入しました。
ワイン・グレー・ブラックの三色展開で、私は黒を購入。靴下に限らず服飾関係では以前から黒を選ぶことが多かったのですが、PDファッショナブルと判明してからはよりその傾向に拍車がかかっています。無難な黒ではなく攻めの黒。そう、こうして話が逸れていくんです。
岡本さんは楽天に公式ショップがあり、私はそちらで。ロフトなどでも取り扱いがあるようです。この前はシャンドエルブで見かけました。
それにしても、「まるでこたつ」というネーミングが何度書いても凄いなと思います。なんてキャッチーなコピーなのか。こういう瞬発的な言語能力って持って生まれた人も後天的に身に付けられる人も限られている気がする。とそれはひとまず置いておいて、開封しまーす。
23〜25㎝のワンサイズですが、比較的伸縮性があるのでパンプス25.5㎝、スニーカー26㎝の私でも履けました。メンズサイズもあるので、より足が大きい方はそちらの方が良いかもしれません。
さて、 「まるでこたつ」を「まるでこたつ」たらしめているキモは、この何やら丸いものが付いている足首部分にあります。
この丸は、足首の内側の少し上にある冷えや婦人科系に万能なツボ「三陰交」に当たる場所にあります。「まるでこたつ」は、この三陰交を効果的に刺激する方法について特許を取得しています。
『まるでこたつソックス』の特許について調べたら、想像以上のこだわりと工夫に満ち溢れていた。ツボとそれ以外の皮膚との温度差が+0.3〜3℃になるようあえて全体には暖かな素材を使わなかったり、着用時のズレも踏まえてツボに当たる刺激部の直径を設定したりしているhttps://t.co/hQLG3LuvJ2
— かべ (@kataru_kabe) December 16, 2020
ただ単にあっためりゃいいんじゃなくて、ピンポイントで刺激する為に周囲との温度差が必要なのか…と目から鱗でした。確かにお灸や鍼って面ではなく点の刺激ですよね。人体は不思議だし岡本さんの研究っぷりも凄い。これは完全にどうでもいい話ですが、これをきっかけに特許の原文(というのか?)を読むのにハマりました。何かについて熱量を持って掘り下げて書いてある文章は、それがどんな物であれ面白い。皆様も特許を見つけたら是非調べてみてください。特許番号をGoogleの検索窓に入れたらすぐにヒットします。
閑話休題。この「まるでこたつソックス」、あたたかさという点においては今回取り上げた3点の中で最も上だと思います。ただ着用にあたって注意すべき点もあるので、そのあたりも忌憚なくお伝えできればと思います。
一つ目は、ふくらはぎ部分のほつれやすさ。
悲しいかな、購入初日にこれを発見しました。その後も随所で発見されていますが、完全に見なかったことにしています。そもそもこちらはかなりデリケートな商品で、パッケージ裏にはこんな記載が。
【取り扱い時のご注意】
●この商品は部屋履き用として企画された商品で、柔らかさを重視しております。そのため摩擦に弱く、外出用としては適していません。(中略)
【洗濯時のご注意】
●洗濯の際は手洗いしてください。
●漂白剤(塩素系・酸素系)は使用しないでください。
(※下線部筆者)
こうしたことを踏まえると、日常の取り扱いにも配慮を要するアイテムと言えます。私のように爪が短くてもふくらはぎ部分を引き上げる時にはかなり気を使うので、爪が長い人は要検討かもしれません。というか今気付きましたが、多分足元でくしゃっとさせた方が服に当たる面積が少なくなってほつれづらくなるのでは…?これからそうします。ちなみに私は洗濯の時は手洗いではなく(そこがもう駄目なんですけど)、小さく厚手な洗濯ネットにこれ単体で入れて洗っています。でもこれなら手洗いとそこまで変わらない負担だと思うんですよねえ。ブラですら手洗いしたくなくて洗濯機に放り込めるアイテムを探すくらいのズボラなので。
二つ目の気になるポイントは、毛玉のできやすさ。
●使用素材は保温性に優れている反面、着用時・洗濯時の摩擦で毛玉ができやすい性質があります。毛玉取り器にてお手入れください。
まあウールなので当然と言えば当然なのですが、割とすぐに使用感が出てくるのは否めない。特許部分より下の範囲については、愛する毛玉取り(充電式)を使ってこまめにケアしています。
毛玉取り大好き。綺麗になるのが一目瞭然ですっきりする。なお、ふくらはぎ部分は毛玉取りなんかかけた日にはループを巻き込んで毛玉取り機そのものまでご臨終しそうなのでご注意ください。まあ編んでいるループが大きい分だけ空気を抱き込めるはずなので、それがこの暖かさに貢献しているのは重々承知なのですが…ふくらはぎ部分のほつれやすささえ改善されれば、来年も是非リピートしたいです。期待してます、岡本さん。
②ソックウェル(中圧力、メンズサイズ)
まるでこたつがルーズソックスのような出立ちだったのに対し、こちらはピシッと着圧タイプのソックスになっております。そう、これこそが私の着圧の概念を変えた着圧ソックスです。
いつものように、ヒツコスさん経由で知りました。ヒツコスさんが良いと仰るものは何をさておき一度試してみたい。お値段がお値段(一足3,500円程)なので、知ってから試すと決意するまでに一年近くかかりましたが…
ソックウェルはヒツコスさん達が立ち上げた美容メディアFinalA(ファイナラ)でも特集されています。
こちらも楽天セール時に購入しました。なんせ結構なお値段するので(2回目)、ポイントがガッツリつくタイミングでないとなかなか踏み切れず…色々なショップから様々な色柄で出品されているので、お買い求めになる際にはじっくりと見比べてみてください。
ビジュアルをもう少し寄りで見てみましょう。つま先にはsockwellの刺繍が入っています。まあ靴を履けば見えないし、室内ならそれはそれで。
厚みは「まるでこたつ」のざっくり1/3程でしょうか。平日は細身のパンツの下に仕込む日もありましたが、服と干渉するようなこともなく見た目的にもほとんど気にならなかったです。
さて、記事を書くにあたって公式サイトを覗いて見たところ、まあ~情報量が多い多い。びっくりしました。
折角なので、ソックウェルがどのような理念や素材で作られているかを簡単にご紹介していきます。単に良いと言われるより「何故良いのか」が分かった方が納得感を持てると思うので。
私たちは "ただの靴下 "を作るだけではないと信じています。高揚感のある美しいデザインで、より快適な履き心地を提供することで、一日の質を向上させるソックスを作ります。私たちは、常にFeeling Better in Styleを追求してきました。(公式HPより)
ウールと聞くとそれこそあたたか素材、冬アイテムという印象ですが、世界的には通年使える機能的な素材として位置付けられているんだとか。
<ウール素材のポイント>
・ニオイを抑える
・蒸れにくい
・温度調節
要するに、ウールソックスを履くとウールが汗を吸収し、そして汗を蒸発させ、常に足が蒸れにくいのでニオイを抑えることができるというわけです。(公式HPより)
数あるウールの中でも、ソックウェルは「メリノウール」という素材を使っています。普通のウールよりも繊維が細く、カシミアレベルなのだそう。確かに履いていてチクチクする感じは全くしません。また、ソックウェルはデザイン性にもこだわっており、先述したように多種多様な色柄があります。私はとりあえず黒でしょみたいな感じで選んじゃいましたけど、お洒落に振ることも余裕で可能だと思います。Instagramには綺麗なコーデ写真も多数。今回ご紹介する3種類の中では、最もお洒落度が高いです。
生活の中でどんな風に使われているのかがイメージしやすいお洒落なYoutube動画もありました。立ち仕事だと、足のむくみはつらいですものね。
さてさて、肝心の履き心地。着圧レベルは低・中・高の3種類あり、私は「一日中履ける」とされている中圧力タイプを選択しました。そして男性並みの体格なのでメンズを選択。どうやらこれが功を奏したようで、今までの着圧ソックスは何だったんだと思うくらいに快適です。すごく程よい圧のかかり方で、履いていて気持ち良いんですよ。過去に経験のある着圧ソックスは「締め付けられてる感」と言いますか、どちらかというと不快な方向に寄っていたのですが、これは確実に快です。途中から「あ~…」と脱ぎたくなるようなことは全く無く、それこそ一日中履いていてもなんともない。着圧ソックスの概念を変えてくれたという点で、ソックウェルには頭が上がりません。こんなによいものだったのね着圧って。
むくみに関しては、私自身はさほどむくまない(と思う)のではっきりとした効果はわかりませんでした。暖かさについては「まるでこたつ」には及ばないものの、同じような厚みの綿やウールの靴下と比べたら確実に暖かいです。これは素材もさることながら、着圧も貢献しているような気がします。冷えもむくみも原因としては運動量や筋肉量の不足から来ることが多いと思うのですが、ソックウェルを履いていると適度な着圧で膝下が快適なため、動くのが億劫にならない→のでちょこまか動ける→運動量が上がる→冷え・むくみづらくなる、という良い流れがあるように感じます。ブログを書く時のような座った姿勢が続いていても、心地よい圧を足元に感じているとぱっと行動の切り替えができるというか。寝る時もOKなようですが、私は「家の中にいて、なんとなく動く気にならない時」に履くのがお気に入りです。そしてヒツコスさんも仰っていたように、脱いだ時の血がじわっと巡っていく感覚もとても気持ちが良い。ソックウェルはレングスや使用場面などによって様々な種類があり、中には着圧の無い物もありますが、最初はこの絶妙な着圧を体感してほしいなと思います。
③モンベル(薄手/中厚手)
やっとこさ3つ目にたどり着いた。最近モンベルへの信頼度が爆上がりしていて、なんとモンベルのメンバーズクラブに入会しました。インナーがこれまた良くてですね…これは個別記事にしたいと思っていますが…
購入したのはトラベル用(薄手)とトレッキング用(中厚手)の二種類です。最初にトラベル用を購入し、追加でトレッキング用を購入しました。
モンベルは実店舗で購入しました。オンラインショップもあります。モンベル会員になると一点から送料無料。
モンベルの靴下の素材には何種類かありますが、私はソックウェル同様メリノウールの物を選択しました。なぜなら、寒いから!メリノウールの機能性の高さを求めているから!というわけで、HPよりメリノウールについての説明画像を引っ張ってきました。
「メリノウール 靴下」とかで検索しまくっていたら、「何日も履き替えなくても臭くならない(登山の時はそうそう着替えない)」「ほぼ毎日履いて一年半持った」などの最早恐ろしさすら感じるレビューが散見されました。どうなってんのメリノウール。確かに蒸れは全然感じないんですよね〜。私は足裏にもすごく汗をかく人間なのですが、不快感はありません。
靴下の丈としてはどちらもふくらはぎな真ん中あたりのものをセレクトしました。ハイソックスにありがちなずり落ちも無し。ソックウェルのような着圧ではないものの、ほどよいフィット感を味わえます。
見た目的な話で言えば、モンベルもソックウェル同様につま先部分にロゴが入っています。ここに入れるのはお約束なのだろうか。
右の写真は上がトレッキング用、下がトラベル用です。そう変わらないように見えますが、実際に触ってみるとトレッキング用は結構しっかりと厚みがあります。ソックウェル≒トラベル用、まるでこたつ≒トレッキング用、ぐらいなイメージでしょうか。トレッキング用だと物によってはスニーカーの紐を緩めないとやや厳しいかもしれないので、可能なら実店舗で確認すると良いかも。最初はお値段的にも手ごろなトラベル用を試してみて、気に入ったらトレッキング用や、さらにその上(本当にモコモコのやつがある、未経験)を手に取るのが流れとしては安全だと思います。
さて、暖かさについて。ぬくぬくを求めるならやはり厚みのあるトレッキング用ぐらいが欲しいかなと思います。とはいえ、薄手のトラベル用もその薄さに反して冷えづらいことは確か。トレッキング用は冬、トラベル用は冬でも悪くないですが春秋の方が快適かもそれません。
そして、モンベルの偉さは価格。トラベル用(薄手)→1,300円、トレッキング用(中厚手)→1,800円。まあ今までスニーカーソックス3足1,000円のとか履いてた身からすれば十分高いんですけど、今回取り上げた中ではお安い。
さらに言うと、耐久性が相当に良いです。まるでこたつは室内オンリーでしたが、こちらは外でもスニーカーに合わせてガンガン履いています。従ってかなりのヘビーユーズかつ洗濯していますが、へたれる気配が微塵もありません。多少毛玉は出来ますが、そこまで気になるレベルでもないかなあ。
【おまけ】メリノ靴下ブランド4つ
今冬メリノウールの優秀さを身を以て理解したので、備忘録がてらメリノウールのソックスの取り扱いがあるブランドをまとめておこうと思います。トップスではそれこそUNIQLOにもメリノウールがあるのですが、靴下は意外と少なくて。L.L.Beanのこれは有名みたいです。
icebreakerというGoldwin社のアウトドアブランドには、靴下に限らずメリノウールのアイテムが多くあります。いいお値段するからなかなか手が出せなさそうですが。
お世話になっている人が多いであろうTabio。メンズに限ってですがビジネス用とスポーツ用、そしてこちらのカジュアルな物でメリノウールの展開があります。
そして今をときめくワークマンにもメリノウールの靴下が。人気過ぎて実店舗でも売り切れ続出だそうです。
M17120 MERINO WOOL(メリノウール)フルパイルソックス先丸 1足 | 作業着のワークマン公式オンラインストア
Twitterで親切な比較をしてくれている方がいらっしゃったのでご紹介を。
ワークマンとモンベルのメリノウール靴下を一緒に履いて比べてみました💡
— ⛺️きむろみ⛺️ (@kimromi_camp) December 17, 2020
(個人の感想です)
🧦ワークマン十分な暖かさある
🧦ワークマンパイル生地なので柔らかくて気持ちいい
🧦モンベルの方が生地が詰まっている感じで暖かく感じる
🧦モンベル生地が強いので締め付け感がある pic.twitter.com/y77w2fBvEW
ワークマンは価格がとにかく優秀なので、試しに覗いてみるのは手かもしれません。
まとめ・感想
今回3種類の靴下を履き比べてみて分かったこと、それは「なんでも試してみないとわからない」ということです。百聞は一見にしかずとはよく言ったもので、やはり自分で体験してみないと自分の言葉では語れない。とにかく買って、感じてみるしかない。あくまで個人的な感想ですが、この中で来年買い足すならどれにする?と聞かれたらモンベル(中厚手)かなと思います。理由は、価格・暖かさ・耐久性のバランスが良いから。まるでこたつもソックウェルも勿論良かったんですけど、いつでも履ける、気にせず履ける、という点でモンベルに軍配が上がりました。とか言いつつもこの記事を書くにあたって色々なぬくぬく靴下情報を得てしまったので、新顔さんもお試しするつもりではあります。
あともう一点気が付いたこと。「あたたかソックス」とは言え、芯から冷え切った足に履いても、そこから挽回するのは残念ながら難しい。アンチエイジングは予防が大事だと言われるように、冷えについても「まずは冷えない」ことが大切だなと。既に氷のように感覚が無い状態の足には、まずは足湯なりカイロなり筋トレなりの物理的なパワーでガツンと血を通わせてから保温性の高い靴下を履く、というひと手間が必要だと思います。結局は冷えない肉体を作ること、すなわち筋肉量を上げ姿勢を整え血流をよくすること、が大事なんでしょうね。ほら、ラグビーやってるゴツい兄ちゃんとか素足にサンダルだったりするじゃないですか。そういうことだと思います。まあその域に達するのは来世だと思うので、引き続き暖かアイテムを求めて彷徨う覚悟ではありますが…
わあ〜毎度のことながら長くなりました!何かのご参考になれば心から嬉しいです。それでは。