語るぬりかべ

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ぬりかべ体躯のアラサーが、美容と日々の暮らしに奮闘しつつ楽しみを見出す記録。

卵巣年齢検査を受けました。「まだ自分はいいや」と思う人ほど受けて欲しい。

「卵巣年齢検査」、聞き慣れない言葉だという方が大半なのではないでしょうか。非常に簡単に言えば、卵子の残数を調べ「大体何才に相当する卵巣になるのか」を明らかにし、今後を考える材料にするものです。実年齢と卵子の数は必ずしも比例せず、20代で既に40代相応の卵子の数である場合もあります。そして、それは検査をしてみないとわかりません。タイトルにも入れましたが、結婚の予定もないし〜子ども願望もないし〜私には関係ないや〜と思っているそこのあなた!あなたです!

U・KE・TE・NE♡

(ここが本記事唯一のおふざけモードです)

今回は私が受けたこの検査について、受けると決めた背景、検査の概要、結果から考えたことなどをまとめてみました。

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なぜ検査を受けようと思ったか

自分のキャリア形成を考えた時に、今後やりたい仕事に手を出すとなると「この先数年は産休育休を取るのはまず無理」という見通しが立っていました。しかし、30才という今の年齢からして、妊娠出産を数年単位で先送りにすることが実際問題(肉体的に)可能なのか?という単純な疑問が生まれます。卵巣年齢検査の存在は以前から知っていたので、とにかくこれを受けて判断の材料にしようと考えました。

 

卵巣年齢検査とは?

卵巣年齢検査は、AMH(抗ミューラー管ホルモン)を調べ、卵巣内にどれだけ卵子が残っているかを調べるものです。卵子の数は生まれた時に決定しており、そこから増えることはありません。いわば、「生まれつき」のものです。検査は保険適用外の血液検査で、1回あたり大体6,000円程度が相場のよう。私はエコーや甲状腺検査など追加をしたのでもっとかかりましたが、単発でAMH検査のみ実施しているクリニックもあるので各自お調べになってみてください。検査結果自体は一週間ほどで出ます。

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これは検査結果説明の用紙の写真です。私の数値は2.24だったので、40才相応。実年齢が30才なので、同年齢の平均の半分も残っていないことになります。つまり、妊娠可能な残り期間がかなり少ないということ。ただ、それは妊孕性(にんようせい、妊娠しやすさ)が低いこととイコールではないことに注意が必要です。

AMHは、あくまで卵子の数の目安であって、質の良し悪しを表すものではありません。質は年齢と一番相関していますので、AMHが低いから妊娠の可能性が低くなるわけではありません。ただAMHが低いと卵子の数が少ないことになるので、妊娠できる期間が短いことを意味します。また、AMHが低くても妊娠できる可能性はありますので、自分の状態をきちんと把握し、治療を進めていくことが大切です。

AMH(卵巣年齢)検査とは|札幌・神谷レディースクリニック

AMHの数値が低かったとしても悲観することはなくて、適切な計画を立てる必要があると判明しただけということですね。私はこういった知識が無いまま受けてしまい、正しい情報に行き着くまではネガティブな想像ばかり膨らんでいたので反省しています。

 

検査を受けて感じたこと、伝えたいこと

先述した通り、実年齢+10才という卵子の残数でした。私は子宮筋腺症で生理痛が重く、数年に渡って低用量ピルを服用し排卵を止めていたのにも関わらずこの数値だったので、低用量ピルを飲んでいなければ更に卵子の減少が進んでいたと思います。

逆に言えば、低用量ピルを飲んでさえいれば、生まれつき卵子の数が少なかったとしてもこれ以上の減少を防ぐことができるわけです。すなわち、将来の選択肢を残すことができる。だって、いつ素敵な人に出会って、その人との子どもが欲しいと思うかなんて誰にもわからないじゃないですか。今そういう感情や思考にならないとしても、未来は誰にもわからない。自分のことだけれど、自分だって全然わからないんです。

私自身、この結果を突き付けられるまでは妊娠出産を積極的に希望しているわけではありませんでした。夫は結婚前から子どもを欲しがっていましたが、自分は育てる自信が無くて。しかし検査を受けたことで、「ああ、これは悠長なことを言っている場合ではない」と腹が決まり、大きく方針転換しました。前提が変われば、当然のことながら判断も変化する。これが、まだ妊娠や出産を考えていない方にこそ検査を受けて欲しいと考える理由です。受けてみて、AMH値が平均~それ以上だったらラッキー♪安心した♪で済むだけの話ですから。

問題は、実は元々卵子が少なかった場合です。私のようにキャリアを含め色々な選択肢や可能性が狭まってからではなく、皆さんにはもっと早い段階で知ってほしい。知ることさえできれば見通しを持って対策が立てられるし、幸いなことに減少スピードをコントロールする方法もあるし、何より覚悟ができますから。少し時間はかかりましたが、受容はきっとできるはずです。

今でこそ偉そうにこんなことを書いていますが、結果を聞いた後は想像以上にショックでした。知識として実年齢と卵巣年齢は一致しないと理解してはいたものの、楽観バイアスが掛かっていたというか、まさか自分の体がそうだとは認識していなかったので。でも、「受けなければ良かった」とは全く思わなかったんですよね。知らぬが仏なんていう諺がありますが、私は知れて良かった。後悔は一切していません。どんなプロジェクトを進めるにあたっても、まずは現状を知るということがスタートなんですよね。納得のいく自己決定の第一歩は自己理解なのだなと改めて実感しています。

(追記:もちろん「知らない権利」もあると思います。ただ、それは「こういう検査でこんなことが判明すると理解している」ことが分かっていて初めて進める道じゃないかなと。この記事がその理解の一助になれば嬉しいです。)

 

普段しているファッションやメイクなどの話題からは随分と離れましたが、私という一人の人間の生き、悩み、考える様のひとつとして御笑覧いただけましたら幸いです。それではまた。