先日ワコールの3D診断を受けたことは記事にしましたが、今度は下着ではなく普通のお洋服で、3D診断+お買い物同行を受けてきました。というわけで、今回は伊勢丹マッチパレットの体験レポです。お時間ありましたらお付き合いくださいませ。
※本記事の画像や引用は、私が撮影したものを除いてはマッチパレットHPと頂いた資料からの出典となっております。
概要
マッチパレットとはなんぞや?という疑問をまずはクリアにしましょう。
マッチパレットは洋服選びをサポートする無料スタイリングサービスです。
5秒で体を3Dスキャン計測し、お客様の体型特徴を正確に計測。
データをもとに、プロのスタイリストが体型タイプ診断を実施し、
似合うファッションやスタイリングをおすすめします。
思わず色変えちゃいましたよ。無料よ無料。先ほどのアドレスからQ&A方式で体形タイプを割り出すものもあるので、手軽に受けたい方やどんなものか知りたい!というかたはまずはそちらを見てみてください。今はなかなかお出かけできないですしね…終わりの見えない閉塞感よ…
さて、体型は以下の4タイプに分類されます。
大きく分けてX型、A型、I型、Y型の4種類あります。アルファベットの下に数字がありますが、それは体の厚みによった分類だったと記憶しています(ちょっとこのへんは要確認ですが)。
骨格診断との違い
個人的には、混乱を防ぐために抑えておいた方がいいポイントだと思います。3D診断は前から見た時のラインでまずは大きく分類されており(その中の下位項目として体の厚みがある感じ)、骨格診断で比較的重要視される体の厚みは結果には直接的に影響しない模様です。したがって、よく使いがちな「ボリューム」という言葉はこの3D診断結果にはちょっと適さないんですよね。それと、骨格診断で判断基準となっている肌の質感も含まれません。なので、あくまで「自分の体の数値的な特徴を掴む」こと、一歩踏み込めば「サイズの悩みを解決してくれるブランドを知る」こと、あたりが得られる学びになるように感じています。
これは対面の強みだと思うのですが、診断後のショッピング同行でスタイリストさんとお話ししている中で少しずつ方向修正がされていきました(具体的には、当初お薦めとされていたフレアではなくテーパードを提案された)。先述したようにこの診断はオンラインのセルフチェックでも可能ですが、骨格診断などを受けた人にとって腑に落ちる結果が出るかどうかは微妙なところです。やはり直接会ってお話しするのに勝るものはないですね。
以下、各タイプのお薦めとされているアイテム・ブランドをまとめていきます。タイプが違っても重複しているブランドが複数あったので、イメージを掴みやすくするために「このタイプでしか挙げられていないブランド」は文字色を変えました。
X型
私はこのX型でした。完全なる素人判断ですが、形状としてはストレートに比較的近いのかなと感じています。
【お薦めアイテム】
トップスに関しては特段違和感はないですね。ボトムについては先述したようにフレア→テーパードへと華麗なる方向転換をしたので、ネット上の簡易診断のみの場合は参考程度に留めた方がいいかもしれません。
【お薦めブランド】
以下、全て新宿伊勢丹内に入っているブランドからセレクトされています。
- Maison TOMORROWLAND
- BEIGE
- EPOCA
- MUVEIL
- beautiful people
- YANUK
アイテムは参考程度にとお話ししましたが、逆にブランドは「こういった特徴があるアイテムを比較的多く取り揃えている」ということなので、欲しいアイテムが明確な場合は要チェックかなと思います。知らなかったブランドも結構あるので、徘徊が一層捗りそうです。
Y型
Y型は上半身が横に広く、下半身はシュッとしたタイプ。肩幅からウエストにかけての差が大きい人が当てはまります。
お薦めアイテムは、基本的に体の数値的な特徴に沿わせた物が中心になっているように思います。
【お薦めアイテム】
- ボリュームブラウス
- アシメントリートップス
- マーメイドスカート
- テーパードパンツ
このあたりはきっと好みで、このお薦めのように細い場所をしっかり見せて強調したい人もいれば、逆に上タイト&下ボリュームで上半身をめくらましさせたい人もいるかもしれません。
【お薦めブランド】
- ENFOLD
- INDIVI
- JOSEPH
- UNTITLED
- UN3D
- RED CARD
INDIVIは大きいサイズ、UNTITLEDは大きいサイズ&トールサイズ展開があるので、背が高い方は是非一度覗いてほしいブランド。JOSEPHはI型でも名前が出ていて、すっきりとしたシルエットが得意な印象です。私は今回知ってめちゃくちゃ気に入ったブランド。これについては後述します。
A型
A型はボトムテーパー(下半身の傾斜)がしっかりとついているタイプで、なんとなく骨格ウェーブに近い印象ですね。
これは完全に余談ですが、イラストにお花が使われているのが可愛い〜。目が和む。
【お薦めアイテム】
- リブニット
- ショート丈トップス
- ギャザースカート
- ハイウエストパンツ
こうしてみても、やはりA型はウェーブさんお薦めスタイルと被っているものが多い印象です。曲線や甘さを出すアイテムが多い印象。
【お薦めブランド】
- CABaN
- CLANE
- BEIGE
- Maison TOMORROWLAND
- JILLSTUART
- YANUK
私が思うフェミニンの代表格、ジルスチュアートが入っているのにも納得です。
I型
I型はその字の通り、縦にすらっとしたタイプ。肩幅や骨盤などがコンパクトな方ですね。
最初は「これ高身長の人向けでは?」と思ったのですが、違う違う。縦長シルエットが映えることと、身体のラインは区別して考えなければなりませんね。中途半端に知識があると、新しい情報が入ってきたときに混乱しやすくなる。
ストンとした体の形を生かしたお洋服が似合いますよ、という提案ですね。
【お薦めアイテム】
- ボウタイブラウス
- ロングカーディガン
- タイトスカート
- ストレートパンツ
【お薦めブランド】
- GALERIE VIE
- ELENDEEK
- JOSEPH
- INDIVI
- CYCLAS
- RED CARD
GALERIE VIEは素材感が秀逸なブランドなので、I型さんに限らず風合いを取り入れたい人は覗いて見る価値があると思います。PDだとナチュラルさん、骨格ナチュラルさんあたりは結構ハマるのあるんじゃないかな。
診断の流れ
予約
予約は先ほど貼ったマッチパレットのリンクからインターネットでサクッとできます。休日はなかなか激戦な気配ですが、平日ならちょこちょこ空きが出る模様。事前アンケートに色々と入力する欄があるのですが、実際の同行時にお伝えするので割と事足りた感がありました。もちろん細かく記入して悪いことはないと思います。
計測
予約時間に合わせてマッチパレットに向かい、奥のカウンターにいる方に声をかけるとすぐに対応してくださいます。
計測機械はワコールの物と全く同じです。違いは紙ブラに着替えるのではなく、自前のものでそのまま計測できるところ。計測の詳細はこちらの記事にあります。
結果用紙は見開きの左半分(各部位のサイズ)はワコールと変わらず、右半分は服選びに参考になるデータに組み替えられていました。
ワコールの物とはボディオーバルの結果が変わったのですが、これは恐らく当日着けていた下着の影響。高さが出るタイプのブラだったので、ヌードで測ったワコール(平胴寄りだった)の方が正しいと思います。
あとこれは超個人的な話ですが、数値を眼前にするとなかなかの衝撃もありました。
先日伊勢丹のマッチパレットで3D計測を受けてきたんですけど、
— かべ (@kataru_kabe) March 2, 2021
首周り41㎝(=男性Lサイズ)
背肩幅41㎝(=175㎝男性平均)
という結果で「ああ…」となった
男性標準よりも大きいんだから、そりゃ着られる服もないですよねえ。くう…でもこれも私という人間だから受け入れてあげなければ…受け入れたうえでお洋服を楽しむのだ~。
結果解説
体型は先述したようにX型でした。ウエストを中心として、上にも下にも横の広がりがあるタイプですね。身体の中でもウエストは比較的細め(しかしお尻が入らない)(もちろん肩も)なので、結果には納得しています。そりゃまあそうだよねーって感じ。
ところで、この画像↑になんとなく見覚えがある方はいらっしゃいませんか?
そう、完全に一致です。我ながら恐ろしいですね、意外と客観視ができていたのかもしれません。骨格診断でもナチュ×ストレートMIXな人間なので、ナチュラル(骨感、フレーム感)が診断に加味されないことを考えるとこれは妥当だろうなと思います。
分類が分かったところで、そんじゃあ具体的にはどんなお洋服がいいのよ?というお話をスタイリストさんからして頂きます。既に書いた概要と重複する部分もありますがご容赦ください。
上ピタ、下ふわ、ウエストマーク、股上しっかり、着丈は短め。この点では骨ナチュやPDサブのナチュラルが適しているとされる装い(ゆるゆる、抜け感、長め丈)とは結構異なるかなと。ただ、懐かしのセルフスタイリング理論講座でアドバイス頂いた内容と共通点がある部分があります。
具体的には「プロポーションを整える」という視点が一致している。ファッションひとつとっても色々なアプローチや理論があり、本当に面白いと感じます。勉強ってなんでもそうだと思うんですけど、読み取れる情報が増える、見出せる価値が増えるのが魅力的ですよね。あとこれはかなり大事なことだなと感じたのが、骨格やPDでお薦めされる装いとは異なるものの、“着痩せ”という点ではかなり的を得ている点。このあたりは後程また触れます。
お買い物同行
長くなりましたが、ようやくお買い物同行スタートです(といっても計測~フィードバックまで30分弱でした、私の文章が長いだけ)。しかし、本当にスタイリストさんがマンツーマン付きっきりで案内してくださってですね…いや、それが売りなんですけど、でもめちゃくちゃ贅沢だなあと。
同行をしていただくにあたって、私からは「黒のボトム、厚手、付かず離れずのサイズ」という要望を出しました。もちろんフリーでお薦めを教えてもらっても良かったのですが、ある程度の指針があった方が提案もしやすいかなと思って。もちろんこれ以外の服に関しても、「このブランドはこういう特徴があって、この形が人気です。お似合いになると思います」などのアドバイスを頂けます。さらっとではありましたが、トータルで9~10店舗は見て回ったでしょうか。普段入らないもの、手に取らないものをご紹介頂けると世界が広がります。色々とご相談しながら、最終的に試着までたどり着いたのが以下の二着。
- トゥモローランドのワイドデニム
- ジョゼフのテーパードパンツ
先立ってタイプ毎のおすすめブランドについて記載をしましたが、トゥモローランドはX型リストに入っているものの、ジョゼフはY型とI型に載っているブランド。何が言いたいかというと、自分の体形タイプから外れたブランドであっても、スタイリストさんはこちらのニーズや好みを組んで横断的に提案してくださるということです。私が欲しい物や理想とするイメージを積極的に伝えたというのも大きいと思いますが、決して「あなたはこのタイプだからこれ!」という案内をされるわけではありません。このあたり、決めつけられそうで診断系を遠ざける人にとっては安心材料ではないでしょうか。もちろん、嬉しいポイントでもあります。(そしてこれは余談ですが同行から時間が空いてしまったので商品画像を見つけることができませんでした。脳内で補完してください。だから早く書くのは大事…寝かせるのと放置するのとは違う…)
試着
試着するものが決まったところで、3Fのマッチパレットに戻ります。試着はマッチパレット内にある専用スペースでゆっくり行えます。完全なる独り占め状態。
試着してみて、新たに湧いた要望を元に再び店内を巡ることも可能。このあたりの流れはかなり柔軟に対応してくださいます。
肝心の試着を勝敗で表現するとすれば、一勝一敗でした。いや、一敗一引き分けかもしれない。一敗は、トゥモローランドのデニムが入らなかったことに由来します。これは痩せる云々ではなく、もう骨盤周りがキッツキツでこりゃもう無理ですわなと早々に諦めました。問題の一勝なのか一引き分けなのかはジョゼフのテーパードパンツ。40だと少し大きいのでドロストで締め、38だと太ももの付け根が少し肉感を拾うかなというどっちつかずな感じでしたが、にしてもラインはとても綺麗で。脚の形の補正効果が凄まじかった。ただドロストはあまり好みでない(紐があまり得意でない気がする、なぜなら我が肉体に比して細い)ので購入を見送ったため、これは一引き分けかなあと。
ワコールの計測に引き続き無料サービスを受けるだけ受けて実際の買い物が出来なかったことに対しては心底引け目を感じているのですが、まあこればっかりは納得できない物に財布を開いても仕方が無いので…アドバイザーさんもそのあたりはすごくお優しくて、購入を勧めるようなことは全くなくむしろ「試着だけでも!」と背中を押してくださったので非常にありがたかったです。この恩を返すためにも、ジョゼフ買う時は伊勢丹で買います。
感想
新しいブランドとの出会いに感謝
教えて頂いたジョゼフ、めちゃくちゃ気に入りました。なんかこう、全体的に男前なんですよ。シュッとしてキリッとして上質。
恒例のTwitter徘徊をしていたら、とんでもないかっこよさの宝塚の方がモデルをやってらっしゃって惚れ惚れしました。
JOSEPHのモデルさんにもなってた、この前伊勢丹のマッチパレットでお薦めされて試着したら滅茶苦茶に良かったんですよね 買ったらこれぐらいかっこよくなれますか?なれますね? pic.twitter.com/pcMytajQnl
— かべ (@kataru_kabe) April 28, 2021
イメコンを嗜む友人がこのツイートを見て「似合うと思う」と言ってくれたので、方向性と好みが合致したかもしれません。うう、ジョゼフ貯金しなきゃ… 他にもthe ROWやJIL SANDERもお薦めされまして、いやまあそりゃあねえ、好きですよ!!!好きに決まってるじゃないですか!!!先立つものが無いけどな!!!という感じ。このあたりからスタイリストさんは完全に「私」を把握していましたね。以前別の同行を受けた時はマーガレットハウエルを激推しされたんですよと話したところ、「マーガレットハウエルだとちょっと甘さが出るので、お客様はもっとシャープな物のほうがいいかもしれませんね」と言われました。おお、直線PDよのう。
「自分が何を求めるか」の明確化
先程も少し触れましたが、今回診断を受けて一番感じたのは「着痩せとお洒落は違う」ということです。この診断は体の特徴を数値的に割り出し、それに合ったお洋服を提案してくれるもの。結果としてお洒落になることはあるかもしれませんが、元々の狙いは「体の特徴に沿った装い」。したがって、細いところを強調し太いところをカバーするようなシルエットが完成します。それは着やせを目標とするのであれば確実なアプローチだと言えるでしょう。ただ、それがイコールお洒落なのか?というと、それはまたちょっと違った話。もちろん着やせとお洒落が両立する場合もあるでしょうが、体のラインを曖昧にした方が雰囲気が出るパターンもあります。私(骨格ナチュラル&PDサブナチュラル=オーバーサイズ&ロング丈推奨スペック)のように。
考えてみれば、こんなにも多様な要素や価値観がある人間という存在に、単一の見方を当てはめる方が無理というものです。場面によって求められる装いは変わってくるのは勿論のこと、その日の気分やどんな自分に見せたいか、どんな自分でありたいかによっても手に取るアイテムは変わってくるはず。そんな時に、何を選べばよりそのイメージが実現できるのか?という道筋を教えてくれるのが各種診断から得られる知見だと思うんですね。つまり、「体形にぴったり合わせた服が欲しい!」という願いを叶えるためのものとしては、この3D診断は非常に有用な物なのではないかなと。自己分析の重要性は就活を始めもう耳タコ状態ですが、ファッションもまた例外ではない。自分が何を求めているのかを明確化することで、より納得できる、満足できる購買体験や日々の装いができるようになるはずです。診断結果に踊らされるのではなく、「なぜそうなったのか?」「自分はなにを望んでいるのか?」を掘り下げる。それこそが「よりよい自分になる」ための、地道な、だけど欠かせないプロセスなように思います。
いやね、元々センスがある人はいいんですよ!感覚でやりゃ何とか形になっちゃうわけですから。でもこちとらそんなもんは兼ね備えていない。となったら、後天的に獲得できる武器は知識と経験。折角なら見通しを持ったトライ&エラーがしたい。それには何が必要か。知識です。そしてその知識は診断から得られることが多い。イメコン各種診断は、私のようにセンスが無い人間に垂らされた蜘蛛の糸のような存在だと言えるでしょう。何の話でしたっけ?とりあえず楽しかったのでチャンスがある人は受けてみると良いと思います。私はこういうことを感じましたが、人によって受け取るものは違うはずなので。そしてそこで得た知見をイメコンの海に放出しましょう…集合知を作り上げるのです…
足の3D計測もあるらしい
マッチパレットを失礼する時に、「靴売り場でも3D計測のキャンペーンをやっています」と紹介されて思わず食いついてしまいました。
計測自体はかねまつで経験済みで、左右の足長の違いや踵の細さなどある程度の傾向は把握しています。なんならセミオーダーのパンプスも作りましたし。
ただ、伊勢丹の強みは何といっても様々なブランドが入っているところ。 マッチパレット同様に、運命のブランド、運命の一足との邂逅を果たせる可能性があります。機会があればやってみたいな~。
今回も長くなりました、最後までお付き合いいただきありがとうございます。それでは。